第26章 本当の望み
ナイルは凛の腰に腕を回し、
首筋に軽く唇を這わせる。
柔らかい女の匂いが鼻を擽り、
それだけで下半身が小さく反応した。
嫁以外の女を抱くのは何年ぶりだ……?
結婚してから浮気なんてものは
したことがないし、
付き合いや接待で風俗店に行ったとしても
嫁以外の女を抱く気になんてなれず、
店内の待合所で煙草を
ふかしていた記憶しかない。
少なくとも10年以上は
嫁しか抱いていなかったことに
今さらながら気付くと同時に、
こんな簡単に凛を抱こうとしている自分に
戸惑いを感じる。
だが、滑らかな肌を唇で感じた今、
行動が抑制できるとは思わなかった。