第23章 新しい出会い
「なんじゃ……
どこかで会ったことが
あるような気がするのう……」
おじいちゃんの顔と声で
そんなことを言われると、
目の奥から熱いものが込み上げてくる。
この世界に来て
“ホームシック”になったことはないけど、
唯一の心残りはおじいちゃんのことだった。
最後に電話をした時、
「お前の好きなようにしなさい。
じいちゃんはいつでもお前の味方だ。」
と、いつもの優しい声で
言われたことを思い出し、
湧き上がってくる感情を押し止めることが
難しくなっていることを感じて、思わず俯いた。