第17章 偶然の再会
「名前は聞いてねぇけど、
団長が呼んでたから知ってる。」
「なら“お前”じゃなくて、名前で呼んでよ。」
「……何でだよ。」
「名前で呼んで欲しい理由なんている?
私にも名前があるんだから
名前で呼んで欲しい、それだけ。」
女の発言に対して反論はない。
確かに、名前を知ってんのに
名前で呼ばないのも不自然だ。
「凛………さん。」
「え、さん付けで呼んでくれるの?」
「はぁ?!
明らかに年上だと思ったから
そう呼んでやったのに、」
「いいよ。明らかに年上だけど、呼び捨てで。」
俺の言葉を遮り、
小さく笑い始めた“凛”は
やっぱり俺好みの顔だった。