第16章 ●悪趣味の嫉妬
……凛は急に痛い所を突いて来る。
いつもと違う。強引すぎる。
否定はしてみたが、実際それは的を射ていた。
……だが、俺がこんなに
強引になったのはお前のせいだ。
そう言いたくなってしまうが、
それを凛に言ったところで
こいつを戸惑わせてしまうだけだろうし、
実際自分も文句を言えない立場に
あることは理解しているから
誰を言い上げることも出来ない。
……それでも昨日、
エルヴィンに抱かれている時の
欲情に狂ったような凛の声を聞かされて、
嫉妬心が湧かない訳がなかった。
その嫉妬心をこうして凛に
ぶつけていること自体、
最低な行為だとも思うが、
そうでもしないと自分の荒ぶる感情は
収まらないだろう。