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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第156章 I keep looking for you.






あの、夢のような、波乱に満ちているのに幸せだった日々から、三年が過ぎようとしていた。




私はエルヴィンが元の世界へ戻るのを見送ってすぐ、おじいちゃんの住む家から離れ、元々生活をしていた都会に戻り、すぐに新しい就職先を見つけて、働き始めた。


“こっちの世界”では、慣れない一般事務の仕事に就いたが、エルヴィンたちの世界で事務仕事をしていたこともあり、意外とすんなり仕事は熟せるようになっていた。




保育士をしていた時と変わらず…いや、それ以上に仕事は忙しい。


独身で一人暮らしという、何のしがらみもない私は、仕事上扱いやすいらしく、残業を頼まれることが多かった。

その為、家に帰ったら適当に食事と風呂を済ませ、ベッドに倒れ込むようにして眠る毎日を送っている。


以前の自分なら、そんな生活を三年も続ければ、そろそろ嫌気が差す頃だろう。

だけど、今の自分にはその方がいい。

仕事に追われる日々を送っている限り、余計なことを考えずに済む。



エルヴィンやリヴァイ、モブリットやミケ、ジャンやナイル、リヴァイ班の面々…

あの世界で出会った全ての人たちのことを思い出すと、未だに自然と涙腺が緩んでしまう。




実際、エルヴィンが戻ってから一年くらいは、もしかしたら本当にみんなこの世界に転生していて、ふとした瞬間に再会できるんじゃないか、なんてことを考えていた。


でも、結局エルヴィンの子どもを妊娠していることもなかったし、ミケの携帯番号が私の携帯に表示されることもなかった。

それに既に三年以上経ってしまった今、いつか再会できる、だなんて希望で膨らみ上がった期待は、消え去ってしまっていた。





……それでも、あの世界での日々を忘れることは出来ない。



あの世界での生活があったから、今の自分がいる。

自分にとってはかけがえのない思い出だった。



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