第154章 君と鼓動が重なる時
「そっか…じゃぁ私も、言いたいこと今のうちに言わなきゃ。」
じわじわと緩みそうになる目頭を一度押さえた後、口を開いた。
「どこに居ても、私がずっとエルヴィンの味方だってことは変わらないから。
私はエルヴィンの夢を応援し続けるよ。」
「……ありがとう。
君のその言葉だけで、戦い続ける自信が湧いてくる。」
もっと君の声を聞きたい……と、囁くような音声が微かに鼓膜に届く。
言いたい言葉はいくらでもあった。
口を開けば簡単に零れ落ちてくる。
「エルヴィンは大丈夫。
元の世界に戻っても、絶対。」
こんなこと、私に言われたところで説得力もないだろう。
それでも声にしたくて、ふすまに近付き、言葉を落とした。
「それはこっちのセリフだ。
凛はどこにいても大丈夫だよ。
この世界でも、絶対に命を輝かせることができる。
俺たちのいる世界で、これ以上にない程光り輝いていたようにね。」
エルヴィンの言葉には、もはや魅力しか備わっていない。
エルヴィンにそう言われると、本当に私は私を無駄にしないで生きられる気がした。