第153章 ●ありがとう
意図的に大きく深呼吸を繰り返し、乱れた呼吸をできるだけ整える。
もうエルヴィンに何処を触られても達してしまう。
そう思ってしまう程、自分の身体は追い込まれていた。
だけど、今回は…今回だけは、一人だけで気持ち良くなるのが躊躇われる。
最初から最後まで、エルヴィンと快感を共にしたい。
酔ってもいないのにこんな言葉を言うのは恥ずかしい……
それでも素直に願望を伝えることを選び、口を開いた。
「……エルヴィン、ので……一緒にイきたい……」
エルヴィンは興奮しきった身体を落ち着かせるように、一度フーッと長い息を吐く。
「……かなり魅力的な言葉だな。」
そう言って笑みを溢してすぐ、凛を布団へ押し倒し、シャツを脱ぎ去る。
そして凛のボトムスと下着を、手早く取り除いた。
「もう挿れたらすぐにでもイってしまいそうな顔だが。
“一緒に”と言う部分は訂正しなくていいか?」
「……意地悪。」
高温のままの身体が、また火照り始める。
発言内容は全然頂けないのに、悪戯っぽく微笑むエルヴィンの表情も綺麗で、目が離せない。
「だが、間違ったことは言ってないだろう?」
「エルヴィンが、私がすぐイかないように…、上手に操作しながら、挿れてくれるでしょ?」
エルヴィンに負けじと言い放つと、盛大に吹き出したエルヴィンの息が、私の髪を揺らした。