第153章 ●ありがとう
緩く穏やかで、甘いキスを繰り返す。
このキスをしている時の、凛の顔を盗み見るのが好きだ。
目を閉じていても、その表情からは恍惚さが窺える。
容易く染まった桃色の頬、長い睫毛、可愛らしい小鼻、細く白い顎。
どれも魅力的でしかなく、見ているだけで心を揺さぶられる。
触れて離すキスのループの途中、凛の唇は軽く開き、遠慮がちに上唇を啄んでくる。
適度な厚みをもった唇の情動を受け入れ、同じように啄むと、それを悦び、楽しむかのように、上唇も下唇も丁寧に咥えられ始めた。
このキスは、相変わらず身体の奥から緩やかに昂奮を誘ってくる。
凛は元々キスも上手かったが、この三日間で、もっと俺を欲情させるキスを習得したようだった。
仕事でも、こういう場面でも、彼女は呑み込みが早い。
きっと自然に身に付いたのだろう。
意図的にしている感じはしない。
だが、それがまた、こちらの熱を呼び起こした。
キスをしたままで、正座で座っていた足を崩し、胡坐をかいて凛をその上に乗せる。
身体は強く密着し、きっと俺の膨らんできているモノも凛の下腹部に当たっているだろう。
柔らかい凛の胸の感触に身体が刺激されると、ますます膨らんでいく感覚を帯びた。
躊躇うことなく舌先を凛の口内に入れ込むと、その舌は凛の舌によって、すぐに奥まで誘い込まれ、強く吸い寄せられる。
思わず息を漏らしてしまうと、それに付け込むようにシャツの中に手が入り込んできた。