第152章 最後のチャンス
「これで君と交われなかったら、腹を括るよ。
キッパリと諦めて、目覚めてからすぐ元の世界へ帰る。」
「……そんな無謀なチャレンジするより、
その時間普通に会話して過ごす方が、時間を有効活用出来る気がしない?」
「しながらでも会話は出来る。
だが、君と身体を重ねられるチャンスは、もう今しかない。
挑戦しないままに諦めたくない。」
「こんな時まで、エルヴィンは挑戦的で精力的だよね……」
「ありがとう。
それは褒め言葉として受け取るよ。」
エルヴィンは目の前に座る凛の顔に、手を伸ばす。
未だに自分の言葉で簡単に頬を赤く染める凛が、可愛くて仕方がない。
また情事最中に寝てしまい、中途半端に中断して、凛をもどかしい気持ちのまま寝かせることはしたくなかったから、この三日間誘うことはなかったが、最終日くらい挑んでみてもいいだろう。
前戯だけで満足できなかった訳ではないが、ずっと凛の熱を自分の中に取り込みたくて仕方がなかった。
最後だから、という言い訳をしてでも、凛を抱きたい。
「その表情は“俺の我儘を受け入れる”という解釈をしてもいい、ってことだな?」
伸ばした手で凛の頬を包み込む。
見た目通りの熱さを持った顔を引き寄せ、恥ずかしそうに頷く凛の唇にキスを落とした。