第151章 変わらぬ想い
丁度その頃。
同じようなやりとりがリヴァイの部屋でも行われていた。
「用が済んだなら、さっさと部屋を出ろ。」
「リヴァイ兵長っ!でも私、」
「気のない女を抱く趣味は、もう俺にはない。
他を当たれ。」
「他なんて!
私はリヴァイ兵長にしかこんなことしたいと思いません!」
リヴァイは、服を乱したまま自分に言い寄って来る女兵士、マルガから目を背けた。
普段人畜無害そうな顔をしておきながら、意外にもこいつはしつこかった。
無意味なこのやりとり自体が面倒だ。
首根っこを掴み上げて、部屋の外へ放り出したい。
だが、さすがに全裸に近い状態の女をそうする訳にはいかない。
こんなことになるなら、部屋に上げなかった……
気晴らしになりそうな紅茶と、その情報に気を取られた自分を、心の中で罵倒する。
「それでも……少しは私の身体でも、何か感じてくれることはないんですか?」
「そりゃ俺も男だからな。
それなりの裸を見れば、反応くらいする。」
「それなら、」
「だが、それでお前を抱くかは別の話だ。
俺は誰でもいい訳じゃねぇ。」
「凛さんなら、いいんですか?」
予想外の問いに、言葉を詰まらせる。
比較的関わりの少ないマルガまで、そう感じる節があったのか。
自分では凛への感情を周りに悟られる瞬間は、あまりなかったと思っていたが、実際そうでもなかったのかも知れないと思うと、自分に対して呆れた吐息が零れた。