第149章 ●見透かされた我儘
「エルヴィン?」
「いや、その通りだと思っただけだ……
俺の我儘をどうにか突き通そうとしていたが、そこまで心理を読まれていたら、もう君に従うしかないのかも知れないね。」
「それは、私の“あと三日でエルヴィンを元の世界へ帰す”っていう提案を呑んでくれるってこと?」
「……ああ。
……君が提案してきた時点で、きっとその通りになるであろうという覚悟はあったよ」
「私が強引だから?」
それもあるけど、と小さく吹き出したエルヴィンは、ゆっくり凛の方を振り返る。
凛の瞳に映ったのは、エルヴィンの嘘ではない、優しく穏やかな表情だった。
「……俺は凛に、特別弱いから。
君の願いを聞き入れない、という選択がなかなか出来ない。」
優しく髪を撫でられ、吸い寄せられるようにエルヴィンの唇に近付く。
私の唇を受け入れたエルヴィンの唇は、冷水を浴びていたことが影響してか、かなり冷えている。
自分の熱を分け与える様に、唇を唇で覆い、再びエルヴィンの陰茎を愛撫し始めた。