第149章 ●見透かされた我儘
「っ…、凛、」
「思ったんだけど、最後まで出来ないだけで、途中までなら出来るんじゃない?」
凛の視線を浴びながら触れられている。
それだけで極限まで膨張できる要素は揃った。
簡単に殆ど最大にまで膨らみを増したモノは、凛の指先で弄ばれている。
「……何故、今のタイミングで試してみようと?」
「時間が勿体ないから。」
簡潔な返事と共に、陰茎の根元を温かい手のひらで包み込まれ、思わず卑猥な色を纏った吐息が零れた。
「エルヴィンがいくら私の考えを却下しても、私はそれを却下する。
例え私の意見が正しくなくても。」
「はぁっ…、三日後に帰ることを、認めろ…、ということか?」
「そうだね。
エルヴィンに心から認めてもらえなくても、そうするよ。」
「……君が俺を、無理矢理あの部屋へ…留めておけると思っているのか?」
「まさか。力尽くでは絶対無理だよ。」
ゆっくり扱かれ始めると、もうどう足掻いても快感が身体中に纏わりついてくる。
細く繊細な指が陰茎を愛撫している様子が目に入ると、ますます興奮に全てを支配されそうな気がして、意図的に目を瞑った。
この弾む息の中で会話を続けるのは、なかなか困難を極める。
だが、このまま凛の思い通りにさせる訳にはいかない。
ついそんなことを考えてしまっていた。
「力尽くなんて手段を取る必要はないから大丈夫。
エルヴィンはもう心のどこかでは、私の言ってることを認めてるから。」
「……どうして…そう、思うんだ?」
「あんな冷たいシャワー頭から浴びてる時点で、エルヴィンは自分の考えにも、完全に納得できてない。
それは、私の言った短い期限を提案したことだって、理解できてるからでしょ?」
元々凛は鋭かったが、それでもここまで彼女の洞察力が鍛え上げられてしまったのは、俺たちの世界に来てしまったからだろうか。
幹部と共に生活させ、色々な仕事を任せ、働かせすぎたせいかもしれないな……
なんてことを考えながら、思わず小さく笑い声が零れた。