第14章 説教と自信
「どうしよう……
昨日、ジャンの前でエルヴィンって
呼んじゃった気がする……」
ジャンがエルヴィンと私の会話を
最初から聞いていたなら、
私がエルヴィンを呼び捨てにしていたことを、
きっとジャンは不思議に思ったはずだ。
もしこれが原因で迷惑を掛けるような
事態になったら……
そう考えるだけで身体が小さく震える。
「あいつはまだ訓練兵だろうが。
もしあいつがそれを部外に漏らしたとしても、
末端の訓練兵の言葉を信じる奴はいねぇよ。」
リヴァイはさっきよりも
かなり落ち着いた声色でそう言い、
硬くなった凛の身体を優しく撫でた。
「……そっか……良かった。
でもこれからは気を付ける。」
安堵の息を漏らした時、ふと疑問を覚えた。