第148章 反省も譲れない想いも
「ま、待て。
何故今入って来たんだ?」
勝手にシャワーの温度を設定し直されながら、出来るだけ凛に視線を向けない様に目を逸らす。
「私も一緒に入りたいなぁと思って。
あ。やっぱりお湯溜めてない。
こんな寒い時期にお湯に浸からないと風邪引くよ?」
こっちの明らかに焦りが窺えるであろう声は、気にしないことにしているんだろうか。
凛は浴室の壁に設置されているボタンを操作し、お湯を溜め始めた。
「取り敢えずお湯被ってて。」
身体にシャワーを浴びせられ、水との温度差で反射的に身体がビクつく。
「ごめん、熱かった?」
凛が温度を調節し直す姿を横目で見ながら、凛が今この場に居る意味を考える。
が、考えを巡らす暇もなく、風呂椅子に座らされ、細い指先が背中をなぞった。
「凛っ、何だ?何が目的で」
「エルヴィンって、強引に迫って来るのも好きだけど、強引に迫られるのも結構好きだよね。」
言葉を遮られ、凛の発言を頭の中で繰り返すが、焦りでまともに思案することはできそうにない。
「……どういう意味だ?」
「そのままの意味だよ。」
液体石鹸をまとわせた凛の指先は腹筋に到達した後、勝手に昂奮し始めた下半身の膨らみを繊細に撫で上げた。