第147章 二人が近付くように、終わることのないキスを
何度か軽く唇を啄んだ後に離してみる。
「まだ足りない。もっと。」
端的に言葉は落とされ、すぐに目を瞑ったエルヴィンにまた唇を重ねる。
足りない、と言っているにも拘らず、エルヴィンから濃厚なキスに誘ってくる訳ではなく、私からの熱いキスをひたすら待ちわびているように、唇は軽く開かれた。
上唇、下唇を咥える様に舐めた後、唇の隙間に舌先をそっと挿し込む。
口内を丁寧に掻き回しながら、同じものを探り出し、繊細に絡めてみた。
「っ…、」
薄目を開け、微かな息を溢したエルヴィンの顔を盗み見る。
エルヴィンの表情は目を瞑っていても卑猥さを感じられ、その表情から視線は一切外さないままに、絡まっている舌を解放し、すぐに自分の唇でエルヴィンの舌を包み込んだ。
口内に暖かい吐息が流れ込んでくるのを感じながら、エルヴィンの髭の生えかかった顎を引き寄せる。
指先にチリっとした刺激を受けながらも、淫猥さだけを纏わせた手付きで、首筋から胸元までを繊細でも執拗に撫で回した。
「はぁっ…、凛…」
唇の隙間から、官能的な声を落とされ、再びエルヴィンの瞳に視線を向けると、微睡んでいるような、とろんとした視線と絡み合う。
「……エルヴィン、もしかして」
そう言いかけてすぐ、エルヴィンの身体から一気に力が抜けたのか、自分の肩にエルヴィンの頭が傾れ込んできた。