第147章 二人が近付くように、終わることのないキスを
「他人がしているところを見ていると、こっちもしたくなるのか?」
「ど、どうなんだろうね、」
「関係のあった男と一緒に見たことは?」
「無いに決まってるでしょ……」
隣に座ったエルヴィンは問いに加え、まだ湿り気のある手を重ねてくる。
普段から物凄いフェロモンを撒き散らしているのに、風呂上がりで水の滴る魅惑的な状態で見つめられて、平気な顔して一緒にAVを見られる訳がない。
「AVは喘ぎ声が異常に大きいな……
こっちの世界の女性はそういう傾向にあるのか?」
「まぁ…AVだからね……
それなりに誇大な表現しなきゃ、観てる男の人も反応しにくいんじゃないの?」
きっと一般的であろう見解を述べるが、エルヴィンは納得いかない表情だ。
「そうか?
これだと少しわざとらしく感じてしまうだろう。」
「うーん…そうかもね……」
「さすがにこの嬌声では、欲情できそうにはない。」
視界に入れないようにしていたテレビに、横目でそっと視線を送る。
ソファーの上で大胆に股を広げた女性が、男性の指で膣内を激しく刺激され始めた、まさにその瞬間だった。
エルヴィンは普通に見入っているが、この映像を何の下半身の変化もなく、平然と見ていることが、まずおかしいだろう……
既に声以前の問題だ。
バスタオル越しのエルヴィンの下半身を、無意識のうちに盗み見てしまっていると、エルヴィンは小さく声を漏らして笑った。