第141章 事実の整理
「範司、そんなに心配してくれてたんだ……」
「そのようだな。
凛と範司の関係は、前この世界に居た時と変わっていないどころか、深まっている気もするが。」
「……うん。
私も、ちょっとそれ思った。」
「これも君が俺たちの世界に来た影響なのかもしれないね。」
「……そうなのかな。」
そう答えながらも、そうだったらいいのに、と思わずにはいられない。
確かに、一緒に居た時間は短いのに、範司よりハンジとの関係性の方が濃かった気はする。
それが今の範司に影響を与えているんなら、生まれ変わりの可能性だって捨てきれない。
この状況になってもそんなことを考えてしまうのは、エルヴィンたちの世界に、まだ強い未練がある証拠だろう。
覚悟は出来ていた、なんて思っていたのに、実際本当に戻れないと分かると、こんなにも未練がましい。
それだけ自分にとって、あの世界での生活は光で満ちていた。