第141章 事実の整理
「……範司、性別は?」
その問いを聞き、範司は心底不思議そうな表情を浮かべるが、
「生物学上は女だけど。
今さら何で?」
と、あっけらかんとした様子で答えた。
「……女?」
「やっぱり……」
これはさっき範司に抱き着かれた時、脳裏を過ったことだった。
範司より、体付きが柔らかい気がする。
なんとなくそう感じただけだったが、モブリットの存在が否定された今、範司の性別まで変わっていても、そこまでの違和感は覚えない。
「もしかしたら他にも変わったことがあるかも……」
「待った、待った!
何?さっきから何のこと?
私の性別のことも、モブリットのことも、ちゃんと話してくれる?」
範司は私とエルヴィンの間に割って入る。
話を早く進めたい気持ちもあるが、これも話さない訳にはいかないだろう。
範司を宥め、元の位置に戻るよう促した後、今明らかになった事実を話した。