第139章 ●甘い時間
「くっ…、やっぱりダメだな……」
片手で顔を覆うエルヴィンは、喘ぐのを我慢するように息を落とす。
「……何が?」
「こっちの世界に来た影響なのか、久しぶりに君を抱ける喜びからなのか分からないが、ヤケに興奮するんだ……」
そう言うと、上目遣いでこっちを見つめていた凛の顔はそっと綻んだ。
この柔らかい表情すら、安心感と同時に強い興奮の元になる。
凛の後頭部を支えていた手が勝手に動く。
強引に自分の方へ寄せ、唇を咥えるようにキスをした。
「んぅ…、」
凛の吐き出した吐息が甘く感じる。
もっと味わいたくなって、貪るように舌を入れ込み、口内を隅から隅まで掻き回す。
歯の形を正確に記憶しようとするようなキスの中で、脳内は恍惚感が溢れていた。
「……エルヴィ、んっ、」
唇を離すと、自分と同じような恍惚の中にいることが分かるような、蕩けた表情を目にし、堪えることなんて考えもせず、また唇を重ね、凛のシャツのボタンを手早く外す。
唇から耳元、耳元から鎖骨、鎖骨から胸元にまで舌先を滑らせた後、魅力的な膨らみの先端を下着越しに甘噛みした。