第139章 ●甘い時間
「まだ体力が完全に戻った訳じゃなさそうだね。」
「ああ……
まさかこんな簡単に君に押し倒されるとは。」
くくく、と肩を震わして笑うエルヴィンの頬に、軽くキスをする。
すると同じように頬にキスを返され、それを何度も繰り返すうちに、唇は唇に捕らえられた。
後頭部は大きな掌で包み込まれ、唇が強く引き合う。
舌先で上唇を刺激され、その舌に吸い付くようにして口内へ導いた。
「んっ…、」
エルヴィンの吐息が、自分の口の中に零れる。
それだけなのに予想外の興奮を覚え、その興奮を抑えることもなく、無理矢理シャツの中に入れ込んだ指先で、深い割れ目をもつ下腹部を撫でた。
「っ…、随分積極的だな……」
「ずっとこの身体に抱かれるの、我慢してたからかな。」
本音を漏らしつつ、シャツを捲り上げ、指先を胸板まで滑らせる。
「俺の方が我慢していたと思うんだが。」
「いや、同じくらいでしょ。」
「同じなら俺にも」
「ダメ。まずは私から。」
私のシャツの中に入り込もうとした手を掴んで引き離し、胸板の先端に甘く齧り付いた。