第137章 大切な時間
リヴァイと入れ替わりで部屋に入って来たエルヴィンは、ベッドに座っている私の隣に勢いよく腰掛けた。
「……なんか積極的だね。」
「何時間…いや、何日前から俺が我慢していると思ってるんだ?」
強引に顎元を引き寄せられ、縋り付くようなキスが襲う。
唇で覆われた唇は、そこから呼吸をすることなんて出来ず、それでも鼻呼吸では間に合わない程の弾む息が、エルヴィンの口内で暴れ回る。
その状態に気付いたように、エルヴィンは一瞬だけ呼吸の隙を与えるが、またすぐに唇は重なり、それと同時に身体も隙間なく重なった。
「はぁっ……、はっ…、」
「……すごい息の上がりようだな。
それは身体の変化のせいか?」
「いや、完全に…エルヴィンのせいでしょ。」
事実を正直に述べると、エルヴィンの顔は一気に綻んだ。
「そうか。それなら良かった。」
……良かったのか?と思いつつも、この部屋に入って来た時より、明らかに朗らかになった表情を見て、安心感がドッと押し寄せた。
そっとエルヴィンの頬に触れる。
忙しさもあるだろうが、私のせいでもあるのだろう。
目の下にうっすら映る隈を指先でなぞった。