第137章 大切な時間
リヴァイは濡れた上着と、ほんのりと湿っていたシャツを脱ぐ。
そしてベッドの上に上がり、凛にタオルで髪を拭かれながら、軽く目を瞑った。
凛の髪を拭くことは、結構あったが、こうして拭いてもらう側になるのは初めてな気がするな……
と言うより、他人に髪を拭いてもらうこと自体初めてだ。
そんなことを他人にしてもらおうと思ったことはないし、慣れない感覚ではある。
だが、不快感なんて全くなく、むしろ気持ち良く思えてしまうくらいだった。
「リヴァイ、気持ち良い?」
「……何だ、急に。」
今まさに思っていたことを問われ、思わず少したじろぐ。
「気持ちよさそうな顔してたから。」
「俺もそんな感情まで、顔に出るようになったんだな……」
「そうみたいだいだね。」
嬉しそうに笑みを溢す凛の指先が、乱れた前髪を掻き分ける。
ふざけた様子で額に息を吹きかけられ、仕返しに凛の頬を軽く抓る。
その時、自然と視線がぶつかり、何も考えないままに唇を寄せた。
「…っ、」
小さく息を漏らす様子すら、昂奮を煽られている気分になり、唇を何度も啄みながら、凛の手を取って、自分の腰に回させる。
生肌に細い指先の感触が伝わり、堪らず凛をベッドへ押し倒した。