第137章 大切な時間
「大丈夫。次はモブリットだから。
私の後にキスすることになっても、きっと許してくれるよ!」
リヴァイだったら絶対嫌がるだろうけど、とハンジは悪戯っぽく歯を見せて笑う。
「……ハンジには驚かされてばっかりだよ。」
「私も凛がこの世界に来た時から、驚かされてばかりだったよ。
でも、お蔭で新しい発見がたくさんあったし、楽しい思いもいっぱい出来た。
……だから、まだ諦めないから。」
一気に真摯な色を纏うハンジの声に、小さく息を呑む。
突然見せるハンジのこの直向きな表情は、すごく魅力的だった。
「ミケも言ってただろうけど、凛にはこの世界に居続けてもらいたい。
易々と手放せるような存在じゃないんだよ、凛は。」
「……ハンジ、ありがとう、」
徐々に込み上げてくる感情が、身体に熱を与える。
「次、凛が眠って目が覚めた時、いい報告が出来る様に、私も色々画策するから。
……凛も覚悟しといてよ?」
「なんか言い回しが怖いな……
それ、人体実験でもするような言い方に聞こえるよ?」
「まぁ否定はしないでおくよ!」
ハンジは再び楽しそうに声を上げて笑い出した。