第137章 大切な時間
壁外調査から四日後の昼。
調査兵団は兵団基地に戻ってきた。
「さっきの巨人、捕まえれそうだったのに……」
「無理です。
早くその足、消毒しましょう。」
馬を馬小屋に繋ぎ、呟くように愚痴をこぼすハンジは、モブリットに一喝され、シュンとした表情を浮かべる。
「大丈夫だって!
興奮しすぎて馬から落ちて、ちょっと傷になっただけだよ?」
「早く行きますよ。手当しますから。」
「そんなこと言ってモブリットは、早く基地に戻って凛に会いたいだけでしょ?」
「勿論それもありますよ。」
モブリットの一言に、ハンジは思わず足を止めた。
「……モブリットが素直で怖い。」
「いつも言われっぱなしだと思わないで下さい。」
「そういうモブリットも、なかなかいいね!」
ハンジは肩を震わせて笑いながら、基地の中へ入って行った。