第12章 ●悪趣味の悩み
俺もこうして
凛を欲しいままに抱いているが、
リヴァイが凛を抱いていることも
紛れもない事実だ。
勿論、互いにそれを暗黙の了解として
凛を抱いている。
それならば、凛の喘ぎ声が
俺の部屋から聞こえようが、
肌の合わさる音が耳に届こうが、
事情を汲んで納得し、承知してもらうしかない。
そして同時に俺も、リヴァイと凛の行為を
目の当たりにしたとしても
文句は言えない立場にある、ということだ。
……その事実を仕方ないと思いつつも、
心の奥底では酷く嫉妬している自分もいる。
きっとそれはリヴァイも同じだろう。
それなのに、リヴァイに
凛の艶めかしい淫らな声を
聞かせていいと思うのは、
ただ単に俺が悪趣味なだけなのかもしれない。