第136章 調査中は思慮の時間
「それについては、かなり意外ですね……
他人の恋愛に首を突っ込むのは前々から好きなようですが、自分がするとなると、そんな面倒なものはいらない、とでも言いたげでしたので……」
「一番身近にいる君が、目に見えて変わったせいだろうね。
恋愛に関して、君は自分と同じようなものだと思っていたんだろう。
意外と、少し焦っているのかも知れないよ?」
「ハンジ分隊長が恋愛、ですか……」
軽く目を瞑って想像してみるが、分隊長が恋に落ちている姿は想像に難しい。
捕らえた巨人の人体実験をしている時と、同じような感じになるのだろうか。
だが、それはそれで相手が不憫だ……
「想像できないだろう。
だが、俺やリヴァイが恋愛している姿だって、想像できなかっただろう?」
はい、その通りです、と返事をしていいものか迷っていると、団長の笑い声が静かな空気を一瞬震わせた。
「ハンジも例外ではないよ。
彼女が恋に落ちたら、毎日水浴びに行くようになるかもしれないし。」
俺にも想像はできないけど。
そう付け加えてまた笑う団長に釣られて、頬が緩んだ。