第134章 何度でも
「………ねぇ、何なの?
エルヴィンといい、モブリットといい……
私以上に私のことを分かってるみたいで、怖いんだけど。」
私の横で、ククっと肩を揺らして笑うエルヴィンの顔を覗き込む。
……昨日から一体何なんだ。
昨日モブリットの話を聞いてから、自分ではかなり自然体にリヴァイと接していたつもりだった。
いや、つもり、というか、いつも通り過ごせていた。
「君もリヴァイも分かりやすすぎるんだよ。
昨日から君たちのぎこちなさは、初めて身体を重ねた後の、付き合いたての恋人同士さながらだったじゃないか。」
「なっ、」
「さすがに妬くよ。きっとモブリットも悶々としていただろうね。」
私の裏返った声を掻き消すように言葉は落とされ、頬は優しい掌に包まれる。
「……君はリヴァイに決めたのか?」
「………いや、そう聞かれると困る……」
「困る、ということは、まだ確信を持てたわけではない、ということか。」
「この間リヴァイと過ごして、かなりグッと来たことは確かだけど、その感情って、エルヴィンやモブリットと過ごした時にも抱いたことがあったから……」
「……そうか。」
再び強く抱き寄せられ、エルヴィンの大きなため息が肩を熱くさせた。