第130章 初めての言葉と感覚を
凛は今、俺の中では完全に「生きるために必要なもの」になっていた。
依存し合う、というより、精神的に支援し合う関係が欲しい
凛にそう言われた当時を思い出す。
その時は、言葉の意味がよく分からなかった。
だが、そんな関係に魅力を感じなかった訳ではない。
実際、今の凛との関係は「精神的に支援し合う」ことが出来ているようにも思える。
……が、依存性だって十分に高い。
凛がこの世界からいなくなれば、確実に酷く気落ちすることは免れないだろう。
それくらい、凛は自分にとって必要な存在だということを、最近特に感じるようになった。
ふと腕に視線を落とすと、穏やかな表情で眠る凛が目に入る。
こうしてずっと、無防備な姿を一番近くで見ていたい。
温かい体温を、肌に留めておきたい。
……いつまでも、どんな形でもいいから、自分の側にいて欲しい。
「凛、愛してる。」
不意に口から零れ落ちた、自分にはとんでもなく似つかわしくない言葉を頭の中で復唱し、羞恥心を覚えつつも呆れたような笑いが込み上げた。