第121章 ●優しい罰
凛のかなり焦れていた様子が唇から伝わる。
躊躇う様に入りかけた舌を舌で捉まえ、
有無を言わさず無理矢理に絡め、強く啜った。
凛の震える身体をそっと撫でながらも、
手早くシャツのボタンを外し始める。
自分がすることとは思えないくらい強引で、
こじつけとしか思えないような言い回しで、
かなり卑怯な手口を使ったと思う。
だけどこれで凛が素直になってくれるなら、
もう何でも良い。
凛も自分も、
そろそろこの欲から解放されていい筈だ。
「はぁっ…、や、これ…、いらない…」
「……何で?」
凛の手首に装着された手錠を横目に、
首筋に唇を這わせ始めると、
凛の身体はまた小刻みに跳ねた。
「モブリット、ぎゅってしたい…です……」
「……可愛いね、凛は。」
耳元にそっとキスをしながら、
掲げられた凛の手首に架かった手錠を、
ベッドのヘッドボードで固定する。
「でも、今日はこのままでするから。」
その方が君の罪悪感がなくなる。
心の中でそう言ってすぐ、
露わになった胸元に指先を這わせた。