第119章 相談相手は恋敵
午後の会議が終わり、
団長室にはエルヴィンとモブリットだけが
残される。
「モブリット、居残りさせて悪いね。」
「いえ。このくらいならすぐ終わりますから。」
「優秀な副官がいて助かるよ。
ハンジもモブリットを手放したくない筈だ。」
「……どうでしょうね。」
モブリットは
ふと日頃のハンジのことを思い出す。
日々こっちを振り回すことを
生きがいとしていると思わずには
いられないくらい、
振り回されている記憶ばかりだが、
それでも分隊長から学ぶことは、
それと同じくして多かった。
「私も分隊長に助けられている面は
多くあるので、」
「そろそろ君を分隊長に昇格させても
いいんじゃないかと思っているんだが。」
「……え?」
突拍子もない団長の発言に、
思わず気の抜けた声が零れた。