第116章 周囲の視線
口を閉ざしたリヴァイをそっと抱きしめる。
リヴァイにしては珍しく、
背中は服の上からでも分かるような
熱気を帯びていた。
「リヴァイが一番納得いく決断をしてくれる?
もう私はこの関係がバレてもいいから。」
「……バレたらお前は
理不尽な目に合わされる可能性が出てくるが。」
「それでもいい。
この三股かけてるみたいな状況作ってる私が悪いんだから、
そもそも理不尽でもなくない?
そんなことよりリヴァイの辛そうな顔見てる方が苦しい。」
「……何なんだ、お前は……」
混乱している声色ではあるけど、
背中に回された手は穏やかで、
思わず瞼を閉じる。
「……凛に嫌な思いはさせたくない。」
「ありがとう……」
「だが、お前に
余所余所しい態度を取れる気はしない。」
「……いいよ、今まで通りで。」
「今まで通りにしていたら、
いつか疑われるかもしれねぇだろうが……」
「そうなったらそうなった時に考えよ。
今リヴァイのしたいことは?」
そう問いかけてすぐ、スッと身体が離れる。
唇をなぞられて、その意味を察するが、
リヴァイの言葉が欲しい。
そう思って何も言わず、
リヴァイの瞳を見つめた。