第116章 周囲の視線
「部屋の前で抱き合うくらいだから、
“それなりの関係”なんだろう。
副官が凛と恋人同士だと言わず、
気があるとしか言わないのは、
副官は凛のいないところで
そんなことを暴露するような男じゃ
ないからだ。」
「……お前こそ、モブリットさんのこと
すごい好きだよな……」
「いつもかなりお世話になってるし、
副官の優秀さは同じ班員の俺たちが
一番分かってるから。」
「なんせお前らの班は
ハンジさんが長だもんな……
モブリットさんが班員に頼られるのは
よく分かるよ……」
「ハンジ分隊長も、お前らが知らないだけで
言われてるほど
まともじゃないわけじゃないからな。」
確かに兵団ではずば抜けて変人だろうけど。
と付け加えたくなるが、その言葉を足すと
また分隊長の株が下がるから言わないでおく。
ハンジ分隊長は確かに
自他ともに認める変人だが、
それ以上に頼りになる上官だ。
調査では特にそれを感じることが多い。
だから俺の班は死亡率が低いと言っても
過言ではないだろう。