第116章 周囲の視線
「でも凛がモブリットさんを
好きだと言ってるところは
聞いたことないんだろ?」
「ないけど確実だろう。
部屋の前で副官に
抱き着いてるくらいなんだから。」
「それ!それ本当なのか?
凛はそんなことしそうにねぇんだけど!」
「……本当だ。俺も目撃したことあるし。」
不意に暴露すると、
ゲルガーの驚嘆の表情が迫って来た。
「……ほ、ほんとか?」
「しつこいな……本当だよ。
まぁ俺は誰にも振れ回ってないが。
目撃者が他にもいたから、
こんなに噂になってんだろ。」
「ん?それはあれか?
部屋の前で抱き合ってたのは、
一度や二度の話じゃないってことか?」
「俺に喧嘩腰になってどうする。
ただ、それはそうだろうと思うけどな。」
どんどん距離を詰めてくる
ゲルガーの肩を押し、
距離を一定に保ちながら話を続ける。