第115章 熱のせい
モブリットを訓練へ送り出し、
自室に戻ってから、早々に二度寝の態勢に入る。
昨日はさすがにあまり眠れなかった。
一度楽にしてもらったとはいえ、
最後まで出来ないのはキツイ。
モブリットの背中を見ながら、
何度悶々とした感情を
ぶつけてしまおうかと思ったことか……
やっぱり挿入ナシで、
お互い奉仕し合うくらいでは満足できない。
モブリットとなら、
添い寝をしただけでも満足していた時期も
あったはずなのに、
今はその先を欲深く求めてしまう。
あの身体が、匂いが、声が、体温が、
どうしても恋しく感じる衝動は
簡単に抑えられなくなっていた。
……お蔭で今は、完全に満たされていた。
色々と納得できる
意外な事実も判明してスッキリしたし、
身体はまだモブリットの体温が残っていて、
心地いい。
目を閉じれば、
一瞬で夢の中へ行ける気がする。
深い微睡を求め、
瞼を閉じようとしたその時、
部屋のドアをノックする音で我に返った。
「凛。休日に悪いが、
エルヴィンの様子を見て来てくれないか?」
ドアの向こうで聞こえたのは、ミケの声だ。
ベッドから抜け出し、急いでドアを開けた。