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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第109章 好きの意味



「……そんな顔してるのに、
“きっと同じ好きだと思うから恋人になろう”
だなんて言えないよ。」


動揺や不安、混乱を帯びた表情の凛が、
自分と同じ気持ちだとは思えない。

きっと色んな感情が入り乱れて、
今は整理がつかない状態なんだろう。



「大丈夫。そんなに焦らなくても。」


「……焦るよ……
ずっとこんなんじゃダメだもん……」

「ダメじゃないよ。
誰も凛が急いて決断することを
望んでなんていないから。」


今にも泣き出しそうな凛を強く抱きしめる。


自分が、自分たちがこうして凛を
追い詰めていることは分かっている。

それでもこの感情を
蔑ろにすることなんてできない。

それは凛を想っている全員が
同じ気持ちだろう。



「自分の気持ちに、
自身で確信が持てる日がきっと来るから。
今すぐ結論を出そうだなんて思わないでいい。」


「……優しすぎる。」

「ん?」


「こんな思わせぶりな事ばっかりされてるのに、
モブリット優しすぎるからね。」


「思わせぶりな事されても嬉しいから
仕方ないだろう?
きっと凛も、俺と同じ気持ちになれば
この感情が理解できると思うよ。」

「でもモブリットは
私に思わせぶりな事しないもん。」


確かにそうだ。

既に本当に想ってしまっている相手に、
今さら“思わせぶり”なことは出来る筈がない。


心の中で納得してすぐ、頬が緩んだ。

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