第3章 追憶のディスタンス!
「相変わらず。何考えてんのかわかんねー奴だぜ、お前は。」
飛び込み台にのった凛はゴーグルを着けつつ遙にそう言った。
「どうでもいい。さっさと準備しろよ、リン。」
凛は少し驚いて苦笑した。
「そのクールな性格も変わんね。ホント、」
「ムカつくぜ。」
後半はよく聞かないと分からないような声で言ったため、凛の近くにいた昴には聞こえていた。
「マコト。スタートの合図、頼む。」
遙も凛も準備ができたようだ。
昴はカメラを構えて合図を待っていた。
真琴は頷き、凛はルールを説明する。
「勝負は100m。種目はフリーだ。」
「Ready…go!」
2人の勝負が始まった。
「すごい。キック力はリンちゃんが勝ってる!」
「いや、ストロークのスピードはハルの方が上!」
この決着が分からない勝負を昴は心配そうにカメラのシャッターを切った。