第1章 消灯すれば〈黒〉が広がるけれど
「さん……これからも、ボクの傍にいてくれますか?」
綺麗なものを見て感傷的になると、ついこんな言葉が口をついて出てしまう。
何故でしょうね、さんが今にも消えてしまいそうな錯覚に陥るんです。
さんはふんわりと微笑んで、1番欲しかった返事をくれました。
「当たり前でしょー?テツヤ君こそ、ずっと傍にいてね」
「もちろんです」
さんが腕に寄りかかってくる。
だから、1度やってみたかった"肩を引き寄せる"をしてみました。
……キザ、かもしれないですね。
「素敵なクリスマスをありがとう……一生忘れない」
「ボクも……一生忘れません」
早く来る冬の夜。
消灯すれば、部屋は一面の闇に包まれる。
けれどこのキャンドルのように、優しく灯がともったら素敵ですよね。
ボクが君にとって、こんな存在であれたらいいなと思うんです。
・。・。Mary Christmas・。・。