第9章 〈高〉い場所から見る雪景色
「あともうちょっとで目的地だな」
「そうだね」
……なんとなくさ、気まずいんだよね。
あれから他のカップルもキスし出したりしちゃって。
ちょうど目の前のカップルもやっちゃったりして?
オレもしたくなっちゃったり……。
でもオレには夜景を観てからっていう計画が…!
「はーい、到着でっす!」
「わぁ、ここ結構高い位置にあるんだね!」
「景色一望出来るもんなー」
夜の景色は凄く綺麗。
イルミネーションが光ってんのも見えるし。
家族、友達、カップル…色んな人が町中歩いてて。
だーけーど……一番の目的はここからなんだよね。
には伝えてない、要はサプライズ。
あと1分……。
「ん? なんかみんなざわざわしてない?」
「それは多分……」
を後ろから抱き締めたのとほぼ同時に。
夜景のライトの色が一部ピンクになって、ハートを形作った。
周りから歓声が漏れる。
「わぁ……綺麗……!」
「お前に、どーしてもこれ見せたかった」
「和成……ありがとう」
キラキラした瞳のに、ようやくキスできた。
唇柔らか……超可愛い。
周りに人がいることも忘れて、何度も何度もキスをした。
オレたちの愛が一層深まった瞬間だった。
・。・。Mary Christmas・。・。