第14章 真実
朝食の片付けも終わり、私は約束通り源外さんのお家にやって来た。
『こんにちはー。直してもらったテレビ受け取りに来たんですけどー…』
玄関先で中に声をかける。
源外「…」
あれ?
目の前でお茶をすする源外さんは、聞こえているはずなのに返事をしてくれない。
ただジーッと私の顔を見つめている。
『あの…』
源外「…俺ァ銀の字んとこのテレビを直したつもりだったんだがなァ」
源外さんは訝しげな目で私を見るとポツリとつぶやいた。
なーるほど。なるほどなるほど。
つまり、誰だお前ってことですね。
『新しく万事屋で働くことになった小鳥遊さくらです。そのテレビ壊したのは私です』
営業スマイルでにっこりと笑いかけると源外さんは更に私をジッと見つめた。
源外「嬢ちゃんがこのテレビを粉々にしたってのか?」
『はい。バズーカで少しだけ。流石に反省はしましたけど後悔はしてません』
源外さんは一瞬キョトンとすると
源外「ブハッ」
吹き出した。
源外「ダハハハハ!こいつァ気の強ェ嬢ちゃんだ!いい女連れ込みやがって。銀の字も隅に置けねェな」
『まぁ実際は家政婦みたいなもんですけどね』
源外「嬢ちゃんに包丁握らすのはおっかねェ。幾つ命があっても足りねぇや」
『いやいや、こう見えて家事全般は得意ですよ?』
源外「ブハハ…よし!気に入ったぜ嬢ちゃん!ちょっと待ってな」
ひとしきりゲラゲラと笑った源外さんは、
私を中へ促すと家の奥へと入って行った。