第5章 たまには後ろを振り返ろう
『え…』
何のことだか分からないとでも言いたげな顔をするさくら。
銀時「てめーがうちに住むのは別に構わねえさ。けどよ、ひとつ聞いていいか?」
『…うん』
さくらが俺の前へ座り直す。
銀時「お前の親、放任主義だってのは嘘だろ」
『!』
さくらの肩がビクリと揺れる。
銀時「娘が帰って来ねえとなりゃいくら放任主義でも黙っちゃいねぇよ。下手すりゃ警察沙汰だ」
『…』
銀時「それにお前、戻りたくないって言ったな。どういうことだ?」
『…そうよね。人の家にお世話になるのに素性を隠したままってのも失礼よね』
逸らしていた瞳を真っ直ぐに向けたさくらは、ポツリポツリと話し出した。