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タイムマシンは幸せの鍵【銀魂】

第25章 川立ちは川で果てる


あの後、私は何故か真選組の屯所に引き取られた。

隊士1「おぉ!?さくらさんじゃねェか!」

隊士2「やっと見つかったんだな!」

隊士3「いやー、良かった良かった」

屯所内を進む度、すれ違う度に声をかけてくれる隊士のみんな。

心配かけちゃったなぁ…
ほんの数ページしか会ったことないのにこんなに心配させちゃったなんて…

隊士2「…これで副長のマヨスパイラルも収まるな」

隊士1「憂さ晴らしのしごきも無くなる…!」

隊士3「山崎もそろそろ部屋から出てこられるだろうよ…」

コソコソと聞こえてくる本音に頭が上がらない。
総悟が言ってたことは全部が全部冗談ってわけじゃなかったのね…
大変ご迷惑をおかけ致しました。
あとで関係各所に菓子折り配ろう…

『あ…』

突き当たりまで進み顔を上げると、そこにあったのは大きな襖。
いつの間にか目的の部屋の前にたどり着いていた。

『…』

総悟が言っていたことを思い返す。
もしアレも冗談じゃなく、本当のことだったとしたら…

『どうしよう…』

嫌な考えが頭を過ぎる。

『ええい、ままよ!!』

頭を振り雑念を振り落とす。

考えたって仕方ない!
もしそうだったとしても、実際この目で見ないことには何も分からない訳だし…!

『し、失礼します!!』

襖にかけた両手に力を込め、思い切り左右に開け放つ。

『…っ』

こ、怖ェ〜〜!
怖くて目開けられねェ〜〜!

チラッと薄目を開けて部屋を見渡す。
他の部屋よりも広く立派な和室の中央に、人影があった。

よ、良かった…

思わず安堵の息が漏れる。
姿勢を正し、その人影に向かって声をかけた。

『この度は大変ご迷惑をおかけしまして、すみませんでした!小鳥遊さくら、先程こちらに…』

あれ…?

改めてその人物を凝視する。

『…』

ちょ、待ち。
ちょ、待ち、え?
足の先から頭の先まで真っ黒なんだけど。
全身キューティクル皆無の剛毛に絡め取られてるんだけど。

『あ、の…』

私をここに呼んだ当の本人は何も言わずにただ座っている。

『近藤さん…ですよね?』

振り返った彼は、たった一言つぶやいた。











「ウホ?」
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