第24章 パトカーのサイレンって何もしてないのになんか緊張する
土方さんは一つ咳払いをすると、呆れ顔で総悟の隣に並んだ。
土方「コイツは随分前の手配書だ」
新八「前の?これの他に手配書があるってことですか?」
沖田「あぁ。元はそこにある通りせいぜい100万円だったんだが…」
新八「いや、スタートからブッチギリなんですけど。公私混同も甚だしいな士道どこ行った」
沖田「時間が経つにつれどんどん跳ね上がっちまいやして、最終的にさくらに懸けられた懸賞金は…」
手渡されたのは茶色い古紙風の紙。
沖田「3億5000万ベリーでさァ」
新八「ベリーってなんだァァァ!」
新八くんが慌てて手配書を細切れにする。
新八「どこの新世界だ!グラン○ラインに沈められんぞ!」
沖田「俺たちも止めようとはしたんですぜ…ですよね、」
隣に立つ副長の右肩にポンッと手を置く。
沖田「ゾ○さん?」
土方「ゾ○さん?じゃねェんだよ!それ他所のCV.中井○哉!」
銀時「そうか、遂に海軍も気づいたわけだな、この女の危険性に…」
声のする方を振り返ると、
台車の上で伸びきっていた屍が息を吹き返し立ち上がった。
銀時「たった5ページの絡みで俺のゴムゴ○の実もこの有様だ。いずれコイツも6番目の海の皇帝として畏怖されることになるだろう…」
ねぇ誰か、このエセ海賊母なる海に突き落として来てくれないかな。
ユラユラと立ち上がった天パは歩を進めると、副長の左肩にポンッと手を置きーーー
銀時「な、3億2000万ベリーさん?」
土方「3億2000万ベリーさんってなに。気にしてねェから。俺の方がちょっと低かったなぁ、とかぜんっぜん気にしてねェから!てかそれ俺じゃなくてゾ○さんの懸賞金!」
土方さんが銀さんの胸ぐらに掴みかかりガンを飛ばす。
銀さんも顎を上げてそれに応戦する。
新八くん達は呆れた、でもどこか楽しそうな顔で2人を見守っていた。
『ふふ…』
神楽「?ニヤニヤして、どしたネさくら?」
神楽ちゃんが不思議そうに顔を覗き込む。
『んーん、なんでもないよ』
神楽「ふーん?」
少し唇を尖らせてつまらなそうに返事をする。
『…』
路地裏から覗く狭い空を見上げた。
…本当に戻ってきたんだ。
私はこれから、ここでみんなと生きていく。