第24章 パトカーのサイレンって何もしてないのになんか緊張する
暗闇の先に小さな光が見えた。
新八「みんな!出口ですよ!!」
新八くんが嬉しそうに声を上げる。
その光はジリジリと輝きを増して近づいてきた。
神楽「私、だんだんお腹の辺りがムカムカしてきたヨ。このままだと口からデスキャノン発射しそう、オェ…あ、やべ」
頭上から降ってきたのは、お腹から迫り上がる何かを堪えたような神楽ちゃんの少し野太い声。
銀時「オイ神楽てめぇ、この構図で吐いてみろ!銀さん頭から世界一汚ぇシャワー浴びることになんぞ!」
源外「見えてきたゾォォ!」
源外さんの指差す方を見ると、ぽっかり空いた穴から江戸の風景が覗いていた。
『…戻ってきた』
源外さんのお店が見える。
よく行っていたスーパーも、真選組の屯所だって…
あれ、ちょっと待って
『なんか…』
新八「遠くね?」
穴から見える景色は江戸中を一望できるほど高く、
鳥が空を飛ぶ姿すら近く感じるほど…
源外「こりゃー、ちっと計算ミスったみてェだな。予想してたより高めの設定になっちまったみてェだ」
新八「オィィィ!どんだけ上空に設定してんだ!ターミナルとほぼ同じ高さじゃないですか!このままじゃ僕達…ぉわっ!!」
新八くんの台詞を誤魔化すように大きな風が吹き
私達はタイムマシンから外に放り出された。
『あ…っ』
銀時「さくら…!」
吹き荒ぶ風の中で銀さんと私は離れ離れに吹き飛んだ。
死ぬ死ぬ死ぬ…!
こんな高さから叩きつけられたら即死するゥゥゥ!
新八「源外さん!なんとかならないんですか!!」
源外「こりゃどうにもならんな、皆揃って御陀仏だ。なァに、自分の作ったカラクリで死ぬんだ、何の悔いもねェさ」
神楽「お前は良くても私達は死んでも死にきれねェアル!仕方ない、銀ちゃん!」
銀時「あ?!」
空中を平泳ぎして銀さんの側に行く神楽ちゃん。
そのまま銀さんの足首を掴んで、
神楽「うぉぉぉぉ!行ってこーい!!」
地上に投げつけた。
新八「何してんだァァァ!!!」
神楽「いや、クッションがないとアレした時アレだと思って」
四の五の言っても追いつけない。
爆速で地上に向かう銀さんを目で追うと
どがしゃーん!!!
スナックのスタンド看板に股間を強打。
神楽「あ、ヤベ」
看板にもたれてへなへなと崩れ落ちた。
新八「銀さんの銀さァァァん!!!」
