第18章 苦難の中の力
それから暫く経ち、朝食を食べ終えた頃
...ダダダダダダダ
銀時「オィィィ!」
『...』
我が家の惰眠族族長は目を覚ますなり突き破らんばかりの勢いで戸を開け放って叫んだ。
銀時「なんで起こしてくんねーんだよ!8時に起こしてくれって言っただろーが!ウォッチ!今何時?一大z...」
『っしゃおらぁっ!』
銀時「ドゥフォァ!」
すかさずキレの良いアッパーを一つお見舞いしてやった。
何でもかんでもパクリやがって。
パクりゃいいってもんじゃないのよ。
銀時「いででで...おい、ぱっつぁん。なんで起こしてくんねーの。今日8時から結野アナの独占インタビューあったんだって!見逃しちまったじゃねーか!」
新八「いや起こしましたよ!」
銀時「現に爆睡してたじゃねーか!んなもん起こしたうちに入らねーんだよ!このダメガネ!お前コラその眼鏡割ってただのダメにしてやろーかアン?」
新八「何なんだ皆朝からダメガネダメガネって!口裏合わせてんのか!大体、揺すっても叩いても起きないのはアンタだろーが!」
互いに襟首を掴みあい、取っ組み合いをおっ始める二人。
神楽「馬鹿ばっかりアル」
『そーねー』
銀時「揺すっても叩いてもだァ?ケッ!ガリガリの癖によく言うぜ。てめーに殴られたってなぁ、痛くも痒くもねーんだよ!寧ろ心地良いね!心地よくて二度寝するね!」
もうこのアホに至っては何を言っているのかさっぱりだ。
新八「本当にちゃんと起こしましたよ!永久童貞野郎とか言ってきたんで鳩尾をこう、ねぇ!」
銀時「結局眠らせてんじゃねーかァァァ!」
あれ、なんか既視感。
これあれだな。さっきの使い回しだな、これ。
『もー...朝からうるさい!ほれ!銀さんはさっさとご飯食べる!新八君はさっさと現実受け容れる!』
銀時「...チッ」
新八「...」
こうして、不毛な戦いは幕をおろした。
『銀さん』
卵を取り、台所から戻ってきた銀さんに声をかける。
銀時「んだよ」
『今日は依頼ないよね?』
銀時「そーね」
『それじゃあ...』
私は、生まれて初めての有給休暇をここで使うことにした。
『今日は一日中有給扱いにしてもらえますか?』