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タイムマシンは幸せの鍵【銀魂】

第17章 夢幻


ここは…



見渡す限り白い空間が続いている。

「さくら」

声のする方を振り返ると、壁も天井もない部屋にポツリと立っている人影が見えた。



誰…?

分からない

だけどどこか…

懐かしい



「さくら」

暖かい声が私を呼ぶ。
声の主は私に背を向けて歩き出した。



待って。今行くから。



私を呼ぶ声に向かって足を進める。



っはぁ…は…



肺が悲鳴をあげ、
追えば追うほど距離は広がっていく。



待って。

誰なの?顔を見せて…



彼は肩越しに振り返ると、優しく笑って歩を進めた。

「さくら!」

「さくらさん」

いつの間にかその人の隣には幼い影が二つ、支え合う様にして歩いていた。



待って…!

置いて行かないで



ようやく追いつき、彼らの肩を掴む。



…え?



私が触れた場所を起点として彼らの体が光の粒へと変わり、消えていく。

何度も繰り返される優しい声。
しかし、それすらも暖かい粒子となって白い光へ溶けてしまう。



お願い。

少しでいいから…



無我夢中で霧散する光をかき集めた。



私はあなたに伝えなきゃいけない事がある。

あなた達に言わなきゃならない事がある。



今伝えるから












私──────










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