第1章 【怪盗少女】
タイミングが悪い
は青の炎のペイントトラックを見るなりこちらに走ってきた
オプティマスは停止したがドライバーが降りるような時間などもう作れない
はまたひょこっと窓を覗く
だが人の気配がないので不思議そうにドアを開ける
「今どこから降りたの?」
誰もいない車内に話しかける
「…あぁ…ちょっと」
前みたいにオーディオから声がした
あきらかに返答に困っているようだった
「やっぱり私に会いたくないんだね…」
は顔をシュンとさせる
そんなにタイプじゃない顔なんだろうか
もしかして彼女が居るのだろうか
「そういうわけではないんだ…ただ…」
どう説明すれば良いのだろうか
オートボットと言えば驚くだろう
「何?」
言葉の続きを催促する
「私の姿を知ったら君は驚くだろう。」
驚くほど外見がブサイク(失礼)なのだろうか
それともメタルが好きな顔にペイントしまくったりモヒカンだったり?
このかっこいい声質からイケメンしか想像出来なかった
「大丈夫!ほんとに、直接会って謝りたいの!」
謝りたい気持ちより会ってみたい好奇心のほうが強かったが
そう言っといたほうが正しいだろう
オプティマスはしばらく考えた
「実はもう会っている」
事実を話す事にしたオプティマス
「?」
意味がわからずハテナ顔だった
「このトラック自体が私なのだ」
「トラック自体…?」
それでもわからなかった
こういう遊びが趣味な人なのか?
「…私はオートボットだ。総司令官のオプティマス・プライムだ。」
オートボット、と聞いてすぐに表情が変わる
あぁ、きっと嫌な思いをさせた
やっぱり言わなきゃ良かったと後悔した