第1章 全ての始まりは雪の中。
寒い。
痛い。
Sexy Zoneとして活躍している中島健人は、雪の中、家路を歩いていた。
すると、何か足にぶつかった。
ふと下を見ると、美少女が倒れている。
「えっ…ちょっと、君、大丈夫!?」
こんな雪の中、ノースリーブの白いワンピースという格好で倒れている彼女は、顔も青白かった。健人が耳を近付けると、呼吸音が聞こえる。
生きてはいるみたいだ。そして、微かな声が聞こえた。
更に耳を近付ける。
「お……」
「お?」
「お腹空いた…」
「元気かっ!」
思わずツッコミを入れてしまった健人だが、とりあえず自分のコートを彼女に被せて、お姫様抱っこをし、自分の家へ向かった。
彼女はまだ眠ったまま、きゅ、と小さく健人の服を掴む。初めて会ってからまだ数分しか経っていないというのに、健人は若干胸の高鳴りを感じた。
部屋に着くと、彼女をベッドに寝かせ、毛布と布団をかけてやる。そして、暖房をつけた。
すやすやと眠っている間に、自分はシャワーを浴び、体を温める。そして、浴室から出ると、冷蔵庫の物で料理を作り始めた。
「ん…」
「あ!目覚めた?」
「……君は誰だ?」
「こっちの台詞だよ!?」
「ここはどこだ?」
その内私は誰だとでも言い出すのではないかと溜息をつくと、
「私は誰だ?」
と本当に言い放った。
「具合悪い所、ない?」
「…うむ。お腹が空いた」
「今ご飯作ってるから。あ、よかったらシャワーを浴びてきて。着替えはこれね」
テキパキとことを進める健人をボーッと見ながら、少女はうん、と頷き、その場で服を脱ぎ始めた。
「脱衣所で脱ごうね!?」
「お?おー」
健人に背中を押され、脱衣所に入る。
出会ってから今まで一日も経っていないというのに、ドキドキさせられすぎる。
健人は深呼吸をすると、シャワーの音に安心し、食事作りを再開した。
「おーい」
「ん?」
「パンツがないのだが」
「えっ!?あ、そ、そっか…ええっと。これで我慢出来る?」
「おー」
セーターと長ズボンを渡し、下着としてトランクスを渡す。しかし、出てきた少女にそれは大きかったようで、長ズボンは脱げ、セーターとトランクスという不思議な組み合わせになってしまった。