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僕だけのペット

第2章 重なる唇


翌朝、健人と風磨がほぼ同時に目覚めた。
泉はまだ気持ち良さそうに眠っている。二人の男性に見つめられながら、幸せそうな顔で。

「ちゅー…」
「すんな!」
「まぁ夜中に目が覚めたからキスしたんだけどな」
「あぁ!?」
「お前に」
「なんだ俺にか…ってやだばかっ!」
「う、嘘だよ…」
「にゅー…」

二人の声がうるさかったのか、泉が目を覚ます。体を起こすと目をこすり、ふあーと大きなあくびをかました。まずは健人を見、風磨を見る。そして眠そうな笑顔で、

「おはようございます」

と一礼した。
二人の心臓が高鳴る。

「健人ー。ご飯ー…」
「あ、あぁ。とりあえず歯磨きと顔洗っておいで」
「うむ」

とと…っと洗面所に向かう。健人と風磨は…

「朝だから…息子が…」
「お前なぁ…泉に欲情すんなよ」
「だってあんなに可愛い笑顔見せられて、勃たない方がおかしいだろ!?」
「き、気持ちはわからなくないけど…」

泉が戻ってきたところで、三人は朝ご飯を食べた。外は雪も止み、溶けてきているようだ。

「風磨、さっさと帰れよ」
「分かってるよー。泉ちゃん、行こうか」
「お?おー」
「さりげなく連れてくな。んで泉もついていかないの」

風磨がやっと家に帰り、静寂が訪れる。しかし、居心地の悪くない、二人だけの特別な静寂だ。
健人は食器を洗い終えると、こたつに入った。すると、泉が健人の反対側からこたつに入り、潜った。そんなに寒いのだろうか?と思っていると、泉は健人の脚の間から体を出し、ガバッと思い切り抱きついた。

「うおっ!」

健人はバランスを崩し、泉もろとも倒れてしまう。

「あっぶないなー。泉、めっ!」
「お?ごめんなさい……」

しゅん、と俯く泉になんだか悪い事をしたような気持ちになり、健人は咳払いを一つすると、彼女の頭を撫でてやった。泉はまたいつもの緩みきった笑顔を浮かべる。

「泉がケガしたら大変だから、気を付けようね?」
「おー」

健人を背中側にしてもたれかかり、泉と健人は夕方のドラマを見ている。
泉はいまいち内容が理解出来ていないようだが、急なキスシーンに目を奪われた。
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