第1章 短編
「あー・・・。すまねぇ。戦った後は服がボロボロになっちまうんだ・・・」
裸(言葉のとおり真っ裸)なのを見て固まっていると勘違いしているようです。
「ち、違うんです!裸なんて父や兄ので見慣れてるんで!!そ、それより、傷は・・・!」
「ん?俺のこと知らねぇのか・・・?」
「?有名人なんですか?」
「いや、芸能人とかじゃねぇよ。俺ヒーローやってんだ。ヒーローネームはゾンビマン。名前のとおり死なない体なんだ。殺しても殺しても死なないから、ゾンビマン。ピッタリだろ?」
「・・・ゾンビマン」
本人は吐き捨てるように言っていますけど・・・。
ゾンビマン・・・。
「~~~ッカッケェー!!」
「は・・・?」
ゾンビマンさんは、あまりの変わり様に驚いていますけど私は続けます。
「あ、はいコート。カッコよすぎです!!クールな態度と雰囲気でカッケェーと思っていたのに!それに加えてゾンビですか!私好きですよそうゆうの!」
こんなハイテンションで喋ってますけどゾンビマンさんは唖然としてます。
それに裸コート・・・。
んー・・・変態チック。
「・・・くくくっ!なんだそりゃあ!」
聞こえてきた笑い声につられて私まで笑顔になりますよ。
「お前名前は?」
「サヨです」
「そうか。それじゃあ、そろそろ行くわ。・・・ありがとな、サヨ」
「はい。またお会いしましょう!」
今日はいつもより楽しい一日を過ごせた気がします。
気分がアゲアゲな私はスキップをしながら帰るのでした!
END