第12章 私の決心と、彼の決断
長い1日が終わり、私は住み慣れた部屋へと戻ってきた。思わずため息が漏れる。
「お疲れでしょう。今夜はゆっくり休めるよう、温かいミルクをお持ちしましょう」
いつもと何ら変わらぬ笑顔のリオンを慌てて引き留める。
「何か?」
「私に、何を望んでいるの?」
「何のことやら、私には」
「わからないわけない。リオン、本当のことを話して。あなたはいつも私には何も言ってくれない。その笑顔の裏で何を考えているの?今日こそは教えて。あなたのことが知りたいの」
リオンの顔から笑顔が消えて、真っ直ぐに私と目を合わせる。自分から詰め寄った癖にあまりにも張りつめた空気に怯む自分が情けない。
「今は話せません。明日、必ず」
息をするのも忘れるような間を置いて、それだけ言った後リオンは部屋を出ていく。私には追いかけることはできなかった。